なぜ機能を6つに分けて見るのか
Notion公式のpricingページを直接見ると、NotionにおけるAIは単一機能ではなく、一連の製品群になっていることが分かる。初期の「ページ内でボタンを押して一段落を生成する」ような単発機能は、今はNotion AI Coreに整理されている。Meeting Notes、Research mode、Enterprise Search、Notion Agent、Custom Agentsは、それぞれ権限、利用枠、use caseが違う。この6ブロックを分けて見ることで、「AIが全部入っているように見える」印象に惑わされにくくなる。
① Notion AI Core:ページ内生成、書き換え、翻訳
最も基本的な機能で、すべてのプランで見える(Free / PlusはLimited Trial)。
操作入口:
- 空白ページで
space:AIに下書きを依頼。 - 段落を選択 → フローティングツールバー → AI Edit / Translate / Summarize。
/aislash command:actionを直接選ぶ(Continue writing、Improve writing、Fix spelling、Translate、Summarize)。
向いている場面:段落の下書き、トーン変更、会議メモ整理、短文翻訳。
注意:構造がゆるい長文では、要約が要点を取り違えることがある。先にheadingや箇条書きを足してから要約させると、精度がかなり変わる。
② AI Meeting Notes:録音、文字起こし、要約、次のアクション
録音や会議のライブ内容をNotionに渡すと、文字起こし、構造化された要約、続くアクションリストを生成し、すべてNotionページ内に残してくれる。
向いているチーム:毎週会議が多く、アクション割り当てがNotionのチケットに依存している場面。
注意:Free / Plusはtrial扱いに近く、会議録音を集中的に使うと上限に当たる。Businessではこの機能が含まれる扱いになる。
③ Research mode(beta):詳細レポート型の出力
Research modeはworkspaceの内容、connected tools、現在のウェブ情報を同時に読み、長めのレポートを生成する。Notion AI Coreの単発生成と比べると、「一度に8段落ほどのレポートを出す」形に近い。
向いている場面:競合調査、顧客背景整理、業界mini-report。
注意:beta期間中でまだ調整されている。外部公開文書を作る用途では、必ず確認する。引用元も人間が検証する必要がある。「citationがある=正しい」ではないことは、すべてのAI検索製品に共通する赤線。
④ Enterprise Search:Notion + 接続アプリを横断する社内Q&A
2026年にNotion AIが本当に差をつけている機能。
Notion公式Helpに載っている接続可能なデータソースで、よく使われるもの:
- Slack
- Microsoft Teams
- Google Drive
- Jira
- GitHub
- Gmail / Google Calendar
- Microsoft Outlook
- Box / OneDrive / SharePoint
- Linear / Asana / Salesforce / Zendesk
一部のconnectorはまだbeta。実際に使える一覧は、その時点のNotion Help Centerを基準にする。
回答にはsource citationが付く。知識が複数ツールに散っているチームにとっては、「同僚がSlackで言っていた、文書はDriveにある、ticketはJiraにある」ような横断的な問題を、1つの対話ボックスに回収できる。
先に知っておきたい制限:
- Business / Enterprise only:FreeとPlusにはない。
- モデル選択で挙動が変わる:一部モデルを選ぶと、ウェブ情報だけを使い、workspace / connected appを読まない可能性がある。設定時に検証が必要。
- Citationは人間の確認が必要:検索された内容は検証する。特に意思決定に関わる回答は必ず見る。
⑤ Notion Agent:複数ステップのタスクを完了する
「一回だけ生成する」から「連続した動作を完了する」方向へ進んだ機能。Notion Agentはworkspace、接続アプリ、ウェブcontextをもとに、「Jira epics / Slackの議論 / Drive文書を確認 → 今期OKRやローンチ計画を下書き → 対応するNotionページまたはdatabaseに書き込む → メール送信、会議前カレンダー設定、担当者への確認依頼」などの複数ステップ作業を実行できる。
注意:Notion Agentは現時点でNotion commentに自動でコメントを残すような動作には対応していない。コメントが必要なステップは人間が処理する必要がある。
向いている場面:固定フロー、最後に人間reviewを挟める社内運用、カスタマーサポートのフォロー、週報整理。
赤線:送信済み外部メール、データ削除、自動送金のような「不可逆な動作」は、最後の人間承認を残す。audit logを見てから権限を開く。
⑥ Custom Agents:チーム自身から育つAgent
Notion 3.3で有効化され、3.4 part 2で調整画面が強化された。Custom AgentsはBusiness / Enterpriseチームがtrigger、schedule、source permissionsを使い、自分たち用のAgentを作れる機能。たとえば:
- 毎朝9:00に巡回 / 昨日のissueを取得 → 要約 → Slackメッセージを残す。
- 毎週月曜午後に先週の顧客質問を整理 → FAQ databaseに書き込む。
- 新規注文を受けたら、product / channel / customer segmentの軸で自動分類する。
注意:Custom Agentsは2026-05-04からNotion credits課金($10 / 1,000 credits、Business / Enterprise add-on)に変わった。事前に利用量を見積もらないと、請求額に驚く。
Free / Plus / Business 比較表
| 機能 | Free | Plus | Business |
|---|---|---|---|
| Notion AI Core(生成、要約、翻訳) | Limited Trial | Limited Trial | 含まれる |
| AI Meeting Notes | Limited Trial | Limited Trial | 含まれる |
| Research mode(beta) | Limited Trial | Limited Trial | 含まれる |
| Notion Agent | Limited Trial | Limited Trial | 含まれる |
| Enterprise Search beta | ✗ | ✗ | 含まれる |
| Custom Agents | ✗ | ✗ | Notion creditsが必要(Business / Enterprise add-on、$10 / 1,000 credits) |
| Premium integrations | ✗ | ✗ | 含まれる |
| AIデータ保持 | 30日 | 30日 | 30日 |
| LLM providerとのzero data retention | ✗ | ✗ | Enterprise |
| Page history | 7日 | 30日 | 90日 |
| ファイルアップロード | 5 MB / file | unlimited(最大5 GB / file) | unlimited(最大5 GB / file) |
実際の条件は公式pricingページを基準にする。
結論:Notion AIが不要な人
- データの主体がNotionにまったくなく、かつNotionが接続できない場所(ローカルフォルダ、未対応ツールなど)にある場合は、先にデータを統合してからアップグレードを検討する。Slack / Drive / Jira / GitHub / Gmailなど、Business級Connectorsが対応しているツールにデータがあるなら、Business + Enterprise Searchを自分のworkflowに合わせて直接評価してもいい。
- ただ賢いライティングアシスタントが欲しいだけなら、ChatGPTガイド、Claude AIガイド、Gemini完全ガイドのほうが直接的。
- ローカルMarkdownの所有権を重視するなら、Notionはその種のツールではない。Notion AI vs Obsidian vs Logseqの比較を見る。
- Custom Agentsで不可逆な動作を走らせたいが、audit logと承認フローをまだ用意していないなら、いったん止まる。
Notion AIの価値は機能が多いことではなく、「workspaceを読める」こと。データがNotion内にあるなら、Businessが完全版の入口になる。データが外にあるなら、必要なのは別のツール。
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よくある質問
Q: Notion AIのライティング機能では何ができる?
ページ内で生成、続きを書く、書き換え、トーン調整、文法チェック、短縮、拡張ができる。/aiを入力するか、空白部分でspaceを押すと呼び出せる。Notion AI Coreの一部。
Q: Notion AIの要約は正確?
見出し、箇条書き、表など構造が明確なNotionページでは安定する。元の文章が散らかっていると、AIは要点を取り損ねる。先に資料を整理するかheadingを足してから要約するのがおすすめ。
Q: Notion AIのデータベース自動化はどう使う?
databaseにAIプロパティを追加し、promptを定義すると、新規作成または更新されたレコードに分類、要約、タグを自動入力できる。AI Autofillで空欄を一括補完することもできる。Notion 3.4 part 2以降、Database AI Autofillの操作画面はより簡単になった。
Q: Notion AI Q&Aは外部データを検索できる?
Enterprise SearchはSlack、Microsoft Teams、Google Drive、Jiraなどの接続アプリを検索できる。ただしBusiness / Enterprise onlyで、FreeとPlusでは使えない。
Q: Notion AIの翻訳機能は繁体字中国語に対応している?
対応している。短い段落は安定する。長文では繁体字と簡体字が混ざることがあるので、正式文書は確認が必要。専門用語が多い場面ではDeepLや大規模モデル翻訳のほうが安定しやすい。
Q: Notion AIの無料版と有料版の違いは?
単純に「利用枠の多さ」だけで考えないほうがいい。Free / PlusはLimited Trialで、BusinessからNotion Agent、AI Meeting Notes、Enterprise Search beta、premium integrationsが本格的に開く。Custom Agentsは2026-05-04からNotion credits課金($10 / 1,000 credits)に変わった。Business / Enterpriseのadd-onなので、事前に流量を見積もる必要がある。
— Penchan